イタリア料理のいいとこ

わちきがイタリアに住んで大変だったことは、いくつもあるが、その中でも大変だったことは・・・食事と社会のリズムの違い・・・かな。
イタリア料理は馴染みがあって、好きだけど、毎日食べてると日本人のわちきは、胃がもたれてきた。そして、ある時お腹の右下が痛くなってホームドクターにいったら、サラダが消化できないことが原因で、サラダをあまり食べないように言われた。胃のもたれはどうしたかというと、油類をあまり使わないようにして、それだけでも随分違ったのだ。
田舎のイタリア人家族と一緒に住んでると、その当時、約20年以上前は、オリーブオイルとバターをリゾットやパスタ料理にはどちらも使ってたから。そして、食べる時にチーズもかけるでしょ。Mamma mia! (マンマ ミア なんとまあ、とでも訳しますか)


今はもう体も慣れて大丈夫だが、慣れるまではわちきが食事を作るようにして、少しずつ油類の量を減らし、オリーブオイルとバターはなるべく両方は使わないようにしてきた。味がやはり変わるので、義理の母や主人からは文句を言われたが、わちきだけではなく、家族の体のことを考えると、摂りすぎは良くないでしょう。ということで、少しずつ、ジャパニーズ イタリアンになってきた。


しかし、イタリアの食事に体が慣れてくると、今度はイタリアの味を真剣に考えるようになってきましてね、義理の母の味や、一応、わちきの主人もコックの資格を持ってる人なので、彼の味付けを盗みながら、イタリア料理、といってもイタリアの家庭料理ですな、それを学ばせていただいた。


ヨーロッパは国々が繋がってるので、まるで日本では県外に旅行に行く感覚で、ここでは国外に旅行にいくのだよ。わちき達もヨーロッパのあちこちに友達がいるので、その友達を頼って旅行にたま〜に行くのだが、食事はやっぱりイタリア料理が好きだな、わちきは。もちろん料理はそれぞれ美味しいのだが。料理の背後にはその国の歴史や文化、特徴が隠れてる。ドイツ料理はいろんなハーブを使って作る。ハーブの使い方がイタリアとは全く違う。


イタリア料理の特徴は、それぞれの料理の主役になる食材の味を生かして作る。だから、基本の味付けは塩。それと、オリーブオイルとトマトソースの使い方。あとは、ハーブを少し。塩によって、食材の甘み、独特の味など、特徴が引き出される。それに、オリーブオイルによって、まろやかさと、なんとも言えない独特の味になる。トマトソースの甘さと酸味によっても味が変わる。これらがうまく使えないと、美味しくないイタリア料理が仕上がる。以前のわちきの料理のように。


それから、イタリアの食に関する規定がヨーロッパの他の国より厳しいので、食材はいいものが手に入りやすい。肉にしても、その家畜の餌に対して規定が厳しいから、お肉も美味しい。例えばハムなんて、日本みたいに色々入ってるのもあるけど、そういうのは金額がとても安い。いいものは、基本的に塩しか使ってないから、そういうのは、賞味期限が短いけど美味しいし、本物の豚さんのモモ肉の味。イタリアの料理は、とてもシンプルな味付けだけど奥が深い、日本とは違った意味で。